▼『ヤンキー』
愛くるしいイラストとは裏腹に学級問題を生み出す《マジェスペクター・ユニコーン》についての考察です。小回りが効く優等生で僕は好きですけどね。
ペンデュラムモンスター
星6/風属性/魔法使い族/攻2000/守2000
【Pスケール:青2/赤2】
【モンスター効果】
「マジェスペクター・ユニコーン」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):自分のモンスターゾーンのPモンスター1体と相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを持ち主の手札に戻す。 この効果は相手ターンでも発動できる。 (2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、 相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
▼『ペンデュラム召喚』
まず、レベル6の問題児をペンデュラム召喚するためにスケール7以上が必要となるので、《竜穴の魔術師》を有する【魔術師】にタッチ採用。とりあえず出したいんじゃい。スケールさえ整えばループ性を帯びるのがペンデュラムモンスターの確固たる強さです。
▼《マジェスペクター・ユニコーン》
ペンデュラムモンスターを手札に戻すことで《強制脱出装置》を放てる誘発即時効果。表示形式も表も裏も関係なく、万能そのものです。自身もペンデュラムモンスターなので自己完結している能力ですが、《EMドクロバット・ジョーカー》のような召喚誘発モンスターを手札に戻すことで《強制脱出装置》+αの恩恵を受けることができます。
ペンデュラム召喚で場に出した《エキセントリック・デーモン》を手札に戻し、《サイクロン》として運用するといった波形もあるので、+αの部分は計り知れない可能性を秘めています。
単純にエクストラデッキから出したペンデュラムモンスターを手札に加えると考えるだけでも『リソースの位置』を決める偉さがあります。幾らエクストラデッキにペンデュラムモンスターが貯まってもスケールが揃わないと意味がないので、《マジェスペクター・ユニコーン》で手札にスケールを確保しておく使い方も有用でした。
とにかく《マジェスペクター・ユニコーン》自身がペンデュラムモンスターというズルさです。相手にしてみればいくら倒してもペンデュラム召喚⇒《強制脱出装置》の恐怖に怯えながら戦う十字架を背負わされます。【マジェスペクター】特有の対象不可・破壊体制も意味不明で、これまでシステムモンスターを封じてきた《禁じられた聖杯》《ブラックホール》が通じません。後手から勢いよく捲る役割を持った魔法カードだったのに思いっきり刷新されてる感があります。
《マジェスペクター・ユニコーン》は効果が不発にならない裁定も強め仕上げ。《スクラップ・ドラゴン》に似てます。
■ Q&A詳細 | 遊戯王アーク・ファイブ オフィシャルカードゲーム - カードデータベース
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▼『あっち側』
《マジェスペクター・ユニコーン》を相手取るの巻。
攻撃力2000を上から叩ける《増援》⇒《フォトン・スラッシャー》が気になっていると、対象を取らない半減屋の《魔装戦士 ドラゴディウス》の存在感。
【マジェスペクター】の対象不可を気にせず打倒できるので、スケールに《魔装戦士 ドラゴディウス》を置いて戦闘に向かう事で《マジェスペクター・ユニコーン》を半ば強制的を使わせる!と意気込み
そして直撃した《揺れる眼差し》
相手スケール2枚と、こっちの《魔装戦士 ドラゴディウス》の『揺れる3枚破壊パターン』により壊滅。ペンデュラムモンスターサーチ&こちらの場を荒らされてゲームにならない、ちょっと厳しい。なぜ速攻魔法なんだ《揺れる眼差し》。再録されたら光るんだろうな。
《励輝士 ヴェルズビュート》に破壊されず、戦闘で倒されない攻撃力2000も《マジェスペクター・ユニコーン》の魅力です。
▼『海皇 vs 魔術師』
こちらも《マジェスペクター・ユニコーン》が登場した事でゲームが変わるかな?とパチパチして来ました。こういう時はめんどうなので、初手に《マジェスペクター・ユニコーン》を持って貰った状態からスタートです。
マジェスペクターの名が誇る理不尽な破壊耐性に喘ぎつつ数戦。
脱出装置よろしく《マジェスペクター・ユニコーン》のバウンス効果の性質上、ポイントになったのは《海皇の重装兵》による追加召喚でした。バウンス効果を追加召喚で帳消しにできるよう動くと看破できます。(《海皇子 ネプトアビス》の蘇生効果で《海皇の重装兵》を出す的な)
《ワン・フォーワン》から展開すれば召喚権が残る都合バウンスによる被害が少なく済みますが、そこは制限カードの壁。
《マジェスペクター・ユニコーン》や《霞の谷の巨神鳥》が自身を対象に手札に戻った所を《氷霊神 ムーラングレイス》で狙い落とすプレイもやりました。《聖光の宣告者》で墓地の《氷霊神 ムーラングレイス》をサルベージして複数回狙える動きです。
ペンデュラム召喚を意識した《神の宣告》の採用率が高いので、《神の宣告》を受けない起動効果の《水精鱗-メガロアビス》&《海皇の狙撃兵》で伏せを剥がして展開するパターンも健在でした。
ただし、普段は魔法を無効化する《アビスケイルーミヅチ》も、スケール設置だけで剥がれる弱っちぃ装備カードになってしまうので、ワンキルは積極的に狙った方が賢明です。【海皇】のリソースは《海皇子 ネプトアビス》《深海のディーバ》的にデッキ内の海皇の数が限度となるので、ペンデュラムテーマに長期戦は挑めない印象でした。ジリ貧よりはブッパ気味でもワンキルでいいと思います。
▼『狭いなー』
巨神鳥&ユニコーンに対抗できるランク4には《インヴェルズ・ローチ》がいますが、それを見てから《慧眼の魔術師》等からランク4に向かわれると目も当てられないのが難しいところ。受ける側の弱さです。
【海皇】という単位になると《海皇の重装兵》を素材とした《キャット・シャーク》で相手ターンにスケール破壊。要所でのペンデュラム召喚を妨げる動きができます。《海皇の重装兵》が墓地起動なので、《ブレイクスルー・スキル》に邪魔されない点は長所です。逆に妨害カードの新参《フレシアの蠱惑魔》《トーテム・バード》に《ブレイクスルー・スキル》は睨みを効かせるので、長短入り乱れた面白い環境だと思います。
耐性軍団【マジェスペクター】によりモンスター対策の評価は1段階落ちる事になり、混迷は更に深まっています。ペンデュラム召喚を迎え撃てる《神の宣告》《神の警告》、ペンデュラムモンスターを手札から墓地に落とす《マインドクラッシュ》《死のデッキ破壊ウィルス》等の評価も変わってきます。
また『スケール2枚設置⇒ペンデュラム召喚⇒ズラズラ』という図式を踏まえると、《励騎士ヴェルズ・ビュート》による全壊はスケールまで面倒を見れる点が重要です。《鳥銃士カステル》ではモンスター軍団とスケール2枚は手に余りある物量です。
《励騎士ヴェルズ・ビュート》を消せるという意味でも《神の警告》《神の宣告》の立場は確固たるものです。《励騎士ヴェルズ・ビュート》に関しては構築段階から《相克の魔術師》《ペンデュラム・コール》という壁があるので過信はできませんが、通った時のリターンの大きさは随一。
▼『ヒーロー対ペンデュラム』
ちょくちょく【ヒーロー】も使いましたが、対ペンデュラムで意識するのは
・蘇生罠⇒エアーマン⇒破壊効果によるスケール破壊
・バブルマン⇒マスク⇒アシッドによるスケール破壊
どちらもメインデッキの動きなので、他のデッキへの相性を犠牲にせずとも勝ち筋があります。スケールが剥がれ次第《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》《サイバードラゴン・インフィニティ》の確立に向かうと、次のペンデュラム召喚に必要となる時間が生じるので勝ちに大きく近付きます。《E・HERO エアーマン》を相手ターンに蘇生する為の永続罠は最大数が好ましく感じました。
《E・HERO シャドー・ミスト》を媒体とする《死のデッキ破壊ウィルス》を積めるのも【ヒーロー】の強味で、【魔術師】軸のデッキであれば慧眼ドクロPマジ賤竜相克竜脈など手札ボロ落ちで勝てます。手札であれば《ペンデュラム・コール》の保護監察を離れるので、そこを狙い打てる気持ちよさがあります。巨神鳥&ユニコーンも手札に戻れば何もできないので、《死のデッキ破壊ウィルス》は頼れる奴です。裏目としては【Emクラウンブレード】が混じる型の場合、《死のデッキ破壊ウィルス》の『デッキからの3枚落とし』が丸々アドを生む可能性です。《死のデッキ破壊ウィルス》発動後は相手がダメージを受けなくなるので、クラウンブレードは成立しませんが墓地に《Em ダメージ・ジャグラー》が貯まるのは…
《E・HERO シャドー・ミスト》に加え、《召喚僧サモンプリースト》も《死のデッキ破壊ウィルス》媒体となる1枚ではありますが、おじいちゃんの効果を【マジェスペクター】の効果無効カウンター《マジェスペクター・テンペスト》に迎え撃たれると損が出ます。《死のデッキ破壊ウィルス》のコスト運用はおまけとして本業が通り難いのであれば、大人しく隠居かなと。
以上、ざっくり《マジェスペクター・ユニコーン》の話でした。またね~
▼『おまけ』
《ヒーローアライブ》の発動条件について。
通常魔法
(1):自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、 LPを半分払って発動できる。 デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
場が空ではなく表向きモンスターがいなければ発動できるので、《皆既日食の書》《闇の護封剣》《月の書》《月読命》《ゲーテの魔導書》《ゴーストリック・フロスト》《聖占術姫タロットレイ》辺りで裏返された所に《ヒーローアライブ》を撃ち込めます。
複数の《ヒーローアライブ》を抱えたままゲームが終わった人を見掛けて勿体無いなぁと思ったので改めて紹介。自分の《月の書》でモンスターを裏にして《ヒーローアライブ》から詰めるパターンにも繋がるので、地味ながら大きい部分です。【甲虫装機】時代に研究され突き詰められた【アライブヒーロー】。あの頃はランク4が貧弱で《甲虫装機ダンセル》を止められず、《No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド》が登場した時の後出しジャンケン感ッたらなかったです。今は闇属性キラーの《星輝士 セイクリッド・ダイヤ》もいるので、【甲虫装機】がどうこう言うには遥か高い壁がそびえてます。諸行無常。