- ペンマジ問題
- YCSシドニー決勝戦
先週開催された「YCSシドニー」について。こっちはめっちゃ寒いのに南半球は半袖半ズボンですよ。そんな参加者が800人越えです。KONAMIスタッフの装いは上が赤で、下が黒のパンツという世界共通スタイル。そういう所は統一するんだなとヒシヒシと感じる次第です。
■ Yu-Gi-Oh! TCG Event Coverage » 2016 | YCS Sydney
YCSシドニーはサクサク取り上げようと思ってましたが、以下のサイト様にあるように英語版「EM ペンデュラム・マジシャン」のテキストが日本語と異なってるんです。ルールや裁定ではなく翻訳・印刷ミスの類い。やっちゃった感。(ペンマジで魔法罠を割ってもEMサーチ不可)
■ アメリカ人も読めない英語版《EMペンデュラム・マジシャン》??? - カードが違います 様
それでも発売されると日本では1枚10000円という値段を叩き出してます。少なからず発生するこういった事例、MTGでは公式サイトのトップページに謝罪と注意喚起が長期間に渡り促されます。
そして、先週のYCSシドニーでの英語版ペンマジの裁定は「日本版ではなく海外版のまま(魔法罠を割ってもEMサーチ無し)」というものでした。
【EMEm】は海外ではカード名の都合により【PePe】(Performapal Performage)と表記されますが、ペンマジに関してはデッキ名というか「カードが違う」という事態に発展してます。今年の世界大会はアメリカ開催という事も含めて、英語版の是正収束を願うばかりです。
YCSシドニー
その辺りを含めて【PePe】のミラーマッチとなったYCSシドニー決勝戦について、思った事を書き連ねます。
■【PePe】対【PePe】
「クリス 対 チャン」
チャンは中華系だね。
ラウンド開始前、握手から始まる両選手。
模範的なシーンですが、フューチャーマッチに持ち込まれる「コカコーラ」の比率が高い気がする。ちなみに写真の左側のシュッとした彼がコカコーラのクリスね。右側のチャンは、まぁ烏龍茶とかでしょ。
「コカコーラ」…やはりYCSは2日間に渡り頭を使うからブドウ糖の摂取が必要となるのか。
ちなみに飲料別の「ブドウ糖の割合」を医療法人のHPで調べてみました。各350ml中のデータだそうです。
- コカコーラ 12.95g
- ファンタグレープ 20.00g
- ファンタオレンジ 18.90g
- スプライト 12.00g
- カルピスウォーター 15.10g
- CCレモン 8.00g
- ポカリスエット 5.60g
- アクエリアス 0.40g
まじ?圧倒的なファンタ環境じゃん。
クリスはプレミってる。ブドウ糖足らん。
おまけに公式決勝戦にも関わらず「チャンが使ってるポケモンのケースが手前に写り込んでるカメラマン張り倒せ」とか、言いたいことは溢れますが脱線が過ぎるので本編に向かいます。
GAME1
チャンがダイスを制して先行を獲得。やはりクリスのコーラではブドウ糖が足りない。
そして肝心のチャンの初手は「竜魔王ベクター・ペンマジ・揺れる眼差し2枚・狡猾な落とし穴」というもの。
はい。猿はないけど猿ハンドとはよく言ったもので、眼差しからぶんぶんモード。眼差しを消せるEmダメージ・ジャグラーが健在の海外でも眼差し2枚あれば関係ないっす。
眼差しからドクロバットジョーカーをサーチして召喚、モンキーボードからギタートルと繋ぎペンデュラム召喚「ベクター・ペンマジ」を特殊召喚。ウィンコンデションの2ドローモードですね。
ペンマジは自身とモンキーボードを割り「リザードロー・モンキーボード」を回収。
…あれ?ペンマジからリザードローとモンキーボードの2枚をサーチしてる。ペンマジでスケールのカードを割るのは「モンスターを破壊した」事として扱うのか。
そうなると海外版ペンマジは「魔法罠ゾーンのカードを割った時にはEMサーチ不可」というだけで、肝心要のスケールのヒグルミなりアリアドネを割ったら普通にEMサーチしてくるのか。あはは。世界は共に苦しんでる。
(もしペンマジがスケールを割ってEMサーチ不可だったとしたら、ギタートルとリザードローで引くにはモンキーボードが邪魔なので割るしかないないですが、EMのサーチ数が減るのでリソースに差が生まれてたのに。)
ペンデュラム系統のミラーマッチおいてペンマジでスケールを積極的に割らない事は、揺れる眼差しの3枚破壊・4枚破壊が直撃する恐れがあるので、おっかないです。
そして、存分に展開したチャンは落とし穴が狡猾1枚の構成なので、ベクター+ドクロバットから「ヴェルズ・ナイトメア」を横で配置して、「狡猾・眼差し」を含むであろう3伏せでターンを渡す。
チャンのエクストラデッキには「ペンマジ・リザードロー」、手札にはモンキーボード、場にはギタートルなので、クリスの余命は1ターンも同然です。
そうは言ってもチャンの伏せが「狡猾・眼差し」とか海外は羽根帚も大嵐も無いのに、どうするの?って感じで、ツインツイスター1枚あっても「3伏せ+ナイトメア」は突破できないですね。
まぁでも、クリスからしたら3伏せは炸裂装甲3枚かも知れませんからね。一応やってみる訳です。
期待のクリスの初手は「Emハットトリッカー2枚・モンキーボード・竜呼相打つ・簡易融合」(海外はお爺ちゃんが元気にしてます)
もうクリスは行くしかないので竜呼相打つを発動すると、チャンもそれにチェーンする形で竜呼相打つを発動!
チャンの3伏せの中身は「狡猾・眼差し・竜呼相打つ」だったようです。炸裂装甲3枚では無かったですねクリスさん…
というか、ここから先書く必要ある?
ちなみに竜呼相打つをチェーン発動した理由としては、下記の裁定にあるように「ベクターの先張り」による相手スケールの無効化といった効能があります。
そこからクリスが次々仕掛けるも
・ハットトリッカー⇒ナイトメアで裏に
・ハットトリッカー2号⇒狡猾で吹き飛ぶ
・モンキーボード⇒眼差しで瓦解
最期に簡易融合からの鳥銃士カステルが通ったものの、チャンは先のターンにモンキーボードを手にしているので焼け石に水。
返しのターンにはペンデュラム召喚から「プトレマイオス⇒サイドラインフィニティ」が降臨。揺れる眼差しも刺さりリソースに格差が生まれているクリスとしては畳むしかない。
サイドチェンジ中の様子
相変わらずコーラが目立ってますが渋い表情です。エクストラデッキのピンクスリーブが目を引きます。
クリスは8切り
チャンは7切りのようです。スリーブは軍服みたいなカラーで統一してます。
そしてコーラ写りすぎ問題。もしかしてお金動いてる?
GAME2
フルボッコの雪辱を晴らすと先行を決めたのはクリス。その初手は「Emミラーコンダクター・Emハットトリッカー・モンキーボード・竜魔王ベクター・虚無空間」というもの。
ペンデュラム召喚+制圧に漕ぎ着ける及第点のハンドです。
まず、モンキーボードからリザードローをサーチして、ペンデュラム召喚。手札にある「ミラコン・ハットリ・ベクター」の3体を並べた後、リザードローを置換。モンキーボードでドクロバットを経由しなかったのはヴェーラーケアですね。
そして3体を素材に呼び出したのはプトレマイオス⇒即時プレアデスに進化。その効果でモンキーボードを手札に戻し、虚無空間を置いてクリスはターンを終えた。
手札消費も荒く、とにかく虚無空間が生命線となる初動です。プレアデスを自分のターンに使ってモンキーボードを手札に返したのは聖杯からの眼差しケアですね。
ターンプレイヤーはチャンに渡り、その初手は「竜魔王ベクター・EMギタートル・Emダメージジャグラー・サイキックブロッカー・簡易融合・狡猾な落とし穴」というもの。
誰やねんって感じですが、チャンはサイキックブロッカーを召喚し「モンキーボードを宣言」1伏せを置いてターンを終えた。これでクリスが手札に帰したモンキーボードを1ターンの間封じ込める事に成功。あれ?実は頑張れる子なの?
そしてプレアデスを操るクリスがドローしたのはEmダメージジャングラー。激流葬が制限カードに指定されている海外事情。何より虚無空間という細い勝ち筋を押し通す為、クリスは盤面を追加するか小考。問題は先のゲームで撃ち込まれたあのトラップカードだ。
クリスが選択したのはジャングラー召喚だった。プレアデスと共にサイキックブロッカーに攻勢を仕掛けるも、無情にもチャンの1伏せは狡猾な落とし穴。
クリス「知ってた!」
なんて冗談を飛ばしながら、笑顔でターンを渡す彼は紛れもないデュエリストだと僕は思う。
そこからチャンの展開は
これで
こうだ
ちゃっかりサイキックブロッカーがランク4素材として活用されている点や、クリスがモンキーボード発動に漕ぎ着けた所に揺れる眼差し3枚破壊が直撃にしているシーンに注目したい。
ゲームエンドは、そのままYCSシドニーの決着を意味する。
YCSシドニー決勝戦はチャンが【PePe】のミラーマッチを制するという幕引きとなった。クリスには次の大会はコーラではなくファンタを持ち込むことを期待したい。
YCS決勝戦の様子を雰囲気意訳でお送りしました。弱体化してもペンマジ運用に困ってない感が凄いです。あとスケールの張り方は左側に寄せて横向ける方式でしたね。その辺り公式大会なのにユルいというのも物議物議。それではまた!